企業年金の主役だった厚生年金基金、これからどうなる?・・パート1

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<材料>

・厚生年金基金ってどんな仕組み?

<Point>

1厚生年金基金は厚生年金と別もの!

2厚生年金基金に加入しているかどうかの確認方法

3厚生年金基金ってどんな仕組み?

4企業年金の主役が交代

※厚生年金基金の解説のため

厚生年金基金は、厚生年金と名称が似ていますが、まったく別ものです。

厚生年金は、国が運営している公的年金であるのに対して、厚生年金基金は企業が運営する企業年金の一つです。

厚生年金基金は、一定の条件を満たさなければ設立することができないため、厚生年金に加入している会社員イコール基金に加入しているということではありません。会社が厚生年金基金に加入している場合に基金にも加入するという仕組みになっています。また、厚生年金基金は、企業ごとに設立されているため、例えば転職をして複数の企業に勤めた経験がある場合、複数の基金に加入しているということもあります。

では、皆さんが厚生年金基金に加入しているかどうかはどうやって確認できるのでしょうか。
例えば、次のような方法で確認できます。
★給与明細をチェック・・・給与明細に「厚生年金基金掛金」が天引きされているかどうか確認
★就業規則や退職金規程をチェックあるいは会社の人事・総務の担当者に確認するなど

過去に勤めていた会社については、
★年金加入履歴をチェック・・・年金事務所に行って確認あるいは日本年金機構のHPを利用する
★厚生年金基金の加入員証がないかどうかチェックするなど

ところで、厚生年金基金という名称、公的年金である厚生年金の名称がついているのは、なぜでしょうか?それは、基金は国が運営している厚生年金の一部を国に代わって運用し、支給しているからです。この国に代わって支給する部分は、「代行部分」と呼ばれ、基金から終身で支給されます。そして基金は、この「代行部分」に加えて、基金ごとに決められた給付を行う「加算部分」があるため、基金に加入している場合は、老後の年金が充実するというメリットがあります。

ところがこの厚生年金基金もバブル崩壊後の運用環境の悪化で、予定通りの運用益が得られず、
約束した給付ができない基金や、掛け金を値上げせざるを得ない基金がたくさん出てきました。ここ15年ほどで、給付の削減をする基金や「代行部分」を国に返上したり解散する基金が次々現れ、ピーク時には1800以上もあった基金が、平成27年3月末現在で444基金となっています。また、現在残っている基金の大半が、解散や代行返上を予定しているという状況です。

かつては企業年金の主役であった厚生年金基金が、近い将来姿を消してしまうかもしれません。ですから、現在は基金に加入しているという人も、将来はどうなるかわかりません。基金が解散や代行返上した後どうなるかについては、次回にお伝えをしたいと思います。

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執筆者

長谷川まゆみ 社会保険労務士/ ファイナンシャル・プランナー

大阪市立大学卒業。OL生活に満足できず、海外留学を体験後、ツアーコンダクターに転職。 旅行を通じて、様々な人々と触れ合う機会をもつ。 出産を機に、資格取得に目覚め、99年社会保険労務士とファイナンシャル・プランナーの資格を取得、翌2000年に独立。現在は、中小企業の人事・労務相談に携わるとともにライフプランニングや運用に関するセミナー講師を務める。

長谷川まゆみ

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確定拠出年金の「マッチング拠出」って何?

「確定拠出年金」については、

6月23日号「退職金を自分で運用!?自己責任型の確定拠出年金とは?」

でお伝えをしましたが、会社で加入する確定拠出年金に今大きな変化が起こっています。

それは、会社が出す掛け金に、従業員本人が給与から天引きで、自分の掛け金(加入者掛金という)を上乗せする仕組みを導入する企業が増えていることです。この上乗せ制度を、「マッチング拠出」と呼びます。上乗せするかどうかは、あくまで本人の希望ですが、老後資金を準備する制度としては、とても有利な制度です。

というのは、まず加入者掛金は、給与とみなされないため税金がかかりません。給与には所得税や住民税がかかっているのはご存知と思いますが、老後のために毎月積立てる加入者掛金については、全額を給与から引いてもらえるため、所得税・住民税が軽減されることになります。

「どれくらい節税になるか? 」は、加入者掛金の額、収入や家族構成などによって異なりますが、仮に毎月1万円をマッチング拠出で30年積み立てた場合、所得税10%・住民税10%の人の場合、給与にかかる税金が72万円減ることになります。(復興特別税は考慮していない)

さらに、会社が出す掛金と同様に、運用によって生じた利益についても税金がかからないため、効率的な資産形成ができます。もっとも確定拠出年金の運用は、定期預金などの元本確保型から投資信託まで選べるので、商品選択によっては元本割れをする可能性もあります。

マッチング拠出の留意点としては、上乗せできる金額には上限があり、会社の掛け金と併せて月5万5千円(他の企業年金があれば2万7500円)を上限として、会社の掛け金を上回らない金額までとなります。またマッチング拠出で積み立てた分も、会社の掛け金と同様に原則として60歳まで引き出せませんので、いざというときに使えません。途中で引き出せないのでたまっていくのですが、引き出しができないことを念頭に掛け金額を決定することが重要です。

これまでの確定拠出年金は、会社の掛金を自己責任でどのように運用するかということに焦点があてられていましたが、マッチング拠出の導入により、企業年金に自助努力の要素が加わったといえます。公的年金の給付水準が低下する中、若い方ほどマッチング拠出の制度をうまく活用することが求められると思います。

自営業者の退職金 税効果抜群の制度とは!?

自営業者(国民年金第一号被保険者)は、会社員のように定年はありません。ですから、退職金が支払われるとともに会社を引退しなければならない、といったことはありません。

極端な話、元気であれば死ぬまで働くこともできますが、子どもに後を任せるとか、病気やけがなどで商売ができなくなったりする可能性もあるため、実質的にはどこかで一線をひかなくてはなりません。現役を退くと、必然的に収入は減ってしまいます。

そうなると年金や貯蓄が頼りの生活になりますが、自営業者が加入する国民年金だけではとても生活できるだけの収入となりません。65歳からもらえる国民年金の額は、20歳から60歳まで40年間きちんと保険料を納め続けた場合でも、年額約78万円、夫婦2人でも年150万円程度です。

そこで、自営業者が有利に老後資金を積み立てできる方法を3つご紹介します。
まずは、「確定拠出年金の個人型」と呼ばれる制度です。国民年の保険料を満額納めている人が対象です。掛け金は月額5,000円以上68,000円から選択でき、金融機関が提供する金融商品(預金・保険・投資信託)から、自分で好きなものを選んで運用します。運用で得られた収益は非課税となるため有利に運用できます。注意点は、原則60歳前に中途引き出しができないことです。

2つ目は、同じく国民年金の保険料を満額納めている人が、老齢基礎年金に上乗せして受け取れる「国民年金基金」があります。47都道府県に設立された「地域型基金」と25の職種別に設立された「職能型基金」がありますが、どちらか一つに加入します。掛け金は、性別、年齢、加入口数により異なりますが、上限は先ほど紹介した「確定拠出年金の個人型」と同じ月額68,000円です。(両方に加入する場合は、掛け金を合算して月額68,000円の上限までに抑える必要があります。)注意点は、加入後は任意で脱退できないこと、受け取りは、一時金の受け取りはなく、年金での受け取りとなることです。

3つ目が「小規模企業共済」という制度で、自営業者のための退職金制度と呼ばれています。掛け金は、1,000円以上70,000円から選択できます。確定拠出年金の個人型と国民年金基金とは別枠で加入できます。65歳以降あるいは事業を廃業、譲渡した場合に受け取ります。中途で任意に解約もできますが、払い込んだ掛け金額を大幅に割り込むので、注意が必要です。

以上の3つの制度において共通した有利な点は、所得から掛け金を全額引いてもらえることです。国民年金基金や小規模企業共済は、確定拠出年金と違い自分で運用しません。運用が苦手という人でもかなりの節税効果が期待できます。

退職金を自分で運用?!自己責任型の確定拠出年金とは?

「確定拠出年金」という年金制度があることをご存知ですか? お勤め先に、この制度があるという人も多いのではないでしょうか。

企業年金は、会社の退職金制度の一部で、年金形式で受け取りが選択できるものです。本人が希望すれば一時金でまとめて受け取ることもできます。
この企業年金には、将来受け取る額があらかじめ決まっている「確定給付型」と、決まっていない「確定拠出型」があります。このように言うと、将来受け取る額が決まっている「確定給付型」のほうがいいと考える人がいるかもしれません。

確かに、「確定給付型」は会社が積み立てて運用をしてくれるため、会社まかせで楽かもしれません。ただ、制度が変更され、将来約束された額が引き下げられることもあります。また、万一会社が破たんした場合は、約束通りに受け取ることができないということもあるのです。会社に入社して定年を迎えるまでの長い間、何が起こるかわかりません。「確定給付型」は、必ずしも安心できる制度とはいえないのです。

一方、「確定拠出型」は、会社は運用の責任を負いません。毎月一定の約束した掛け金を従業員に支払うことが会社の責任です。あとは従業員が、その掛け金を運用して積み上げていくという年金制度です。ということは、自分でしっかり運用するということが必要になるため、負担に感じる人も多いようです。

お金の管理は、信託銀行が行いますので、会社に万一何かあっても積立金が減るということはありません。その意味では、安心できるかもしれません。ただ、どのように運用するかで、老後に受け取る額が大きく違ってくるため、「自己責任型の年金制度」と言われています。

運用する商品は、あらかじめ会社で決められているので、その中から好きなものを選択するという仕組みになっています。そして個人ごとに口座が管理されているため、いつでもいくらたまっているかを見ることができます。もちろん運用状況も確認できるので、目標とする運用利回りを決めて、定期的にチェックすることが重要です。

「確定拠出年金」の最大の魅力は、税制にあります。運用でもうけたお金に税金がかかりません。ですから利息が利息を生むという「複利の効果」で、長い期間運用できる若い人ほど有利に運用できます。会社でせっかく運用する機会を与えてもらったのであれば、積極的に取り組みたいものです。

最後に、この「確定拠出型」の企業年金を採用する会社は、今では約2万社に。そして加入者も500万人を突破しています。これからは、お勤めをされている方にとっては、より身近な存在になっていくかもしれません。

2015.6.15更新

老後の生活、公的年金だけでは大きく不足!退職金・企業年金の考え方

皆さんは、ご自分の老後の生活をイメージできますか?

どこでどのような暮らしをしているか、そしてどれくらいのお金がかかるのか。「そんな先のことを言われても・・・」という人が多いかもしれませんね。

では、具体的にどれくらいのお金がかかるのか、一般的なケースでご紹介しておきましょう。夫65歳、妻62歳の夫婦がそれぞれの平均余命まで生きると仮定した場合、老後に必要な生活費は、8,000万円~1億円程度とされています。一方、国から支給される年金は、モデル世帯(40年間会社に勤めた夫と専業主婦の妻)の場合で6,500万円程度です。ざっと1,500~3,500万円の不足! これらの金額を見て、どう思われますか? 公的年金だけでは全く足りないことが分かります。

その不足をまかなってくれる強い味方が、会社の「退職金」「企業年金」です。会社の制度ですので、雇用者ではない自営業やフリーランスの場合はもらえません。また、会社員でも、契約社員や派遣社員など非正規雇用の場合は、対象とならないケースが一般的です。正社員であっても、企業によって制度自体をもっていないこともあります。勤務先にこれらの制度がある場合も、どれくらいの水準で支給されるかは、企業や役職等によって異なります。ですから、まずは勤務先に、そのような制度があるかどうか、自分の立場は支給の対象かどうか、またどれくらいの期間、いくらくらい支給されるのかを確認してみてください。

ところで、退職金と企業年金はどのように違うのでしょう。
退職金は、会社が積み立てたお金を退職時に一括で受け取る制度。会社によって異なりますが、勤続5年以上など、要件が付く場合が一般的です。

企業年金は、その名のとおり会社が積み立てたお金を年金形式で受け取る制度で、「厚生年金基金」や「確定給付企業年金」といった種類があります。厚生年金基金は亡くなるまで受け取れる終身年金となっています。他の企業年金は、受け取る年数は、10年、20年あるいは終身など会社で決められていますが、本人が希望すれば、一時金で受け取ることができる場合もあります。

退職金、企業年金は、どちらか一方のみの会社もあれば、両制度を採用している会社もあります。ただ、バブルが崩壊してからは、予定通りに運用ができないということもあり、いずれも会社の大きな負担になっていて、縮小傾向にあるのが実態。また会社が運用するのではなく、従業員に運用を任せる「確定拠出年金」といった制度に移行するところも増えています。制度が変更されたり、縮小されたりすることは、老後の生活に大きな影響を与えることになるので、若いうちから関心をもっておくことが重要です。

2015.5.13更新

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