日本の財政赤字って大丈夫なの?【日本の財政問題 第1回】

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1財政の不足額を毎年40兆円前後の国債発行で埋めている

2国の借金残高は2015年3月末で約1053兆円

3支出削減において鍵を握るのは、毎年1兆円近く増え続ける社会保障関係の支出

4公的年金の支給開始年齢の引き上げ議論は避けて通れない

※マーケット説明のため算出せず

ギリシャは財政悪化の影響から、ユーロ離脱も取り沙汰される事態に至りましたが、ユーロ圏諸国などの金融支援により一先ず落ち着いています。そんな中で気になるのが日本の財政!同じく財政事情の悪化している日本は大丈夫でしょうか。

日本の財政を巡っては、楽観的な見方から悲観的な見方まで幅広い見方があります。それだけ難しい問題といえますが、急速な高齢化で年金、医療といった社会保障関係の支出が急増する一方、税金などの収入が支出の約6割にとどまり、不足額を毎年40兆円前後の国債発行で埋めています。この状態はとても健全とはいえないでしょう。

平成27年度の国の支出予算は96兆円。年金や介護、医療などの社会保障関係(国の負担分)が32兆円(全体に占める比率33%)、中央と地方の格差調整のために使っている資金(地方交付税など)が15兆円(同16%)、借金の利息や返済の費用である国債費が23兆円(同24%)と3項目で支出の7割以上を占めます。

一方収入は、税収が54兆円(全体に占める比率57%)、国債発行による収入が37兆円(同38%)です。財務省は、国の借金残高が2015年3月末で約1053兆円であることを発表しましたが、単純計算で国民1人当たり約830万円の借金となります。

このような財政事情でも、すぐにギリシャのように国民生活を脅かす事態には至らないと見られていますが、財政健全化に向けた取り組みは大事。ポイントは消費増税と支出削減です。前者は消費税の8%から10%への引き上げ時期を2015年10月から2017年4月に先送りしましたので、当面は支出削減への取り組みが注目されます。

支出削減で鍵を握るのは、毎年1兆円近く増え続ける社会保障関係の支出。高齢化で医療、介護でますますお金がかかりますので、低く抑えられている高齢者の自己負担を増額すべきか否かが今後の検討課題となるでしょう。

また厚生年金などの公的年金においても国の負担額が重荷となっており、現在65歳の支給開始年齢を引き上げる検討が進む可能性もあります。実は欧米先進国の支給開始年齢は、イタリアの69歳、英国の68歳、米国・ドイツの67歳など、引き上げを決めている国が少なくありません。

高齢化スピードが最速の日本!公的年金の支給開始年齢の引き上げ議論は避けて通れないと思われます。検討が遅れるほど、若い世代や将来世代の負担が増します。今後の動きに注目したいところです。

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執筆者

小松英二 CFP®(ファイナンシャル・プランナー)/ 経済アナリスト

筑波大学卒業後、日本銀行入行。景気動向調査、対金融機関・対政府の金融取引などに携わる。 その後2007年4月にFP事務所を開業し、資産運用、相続対策を中心に相談業務、執筆活動を展開。 生活者向けセミナー、企業の社員研修、FP継続教育研修などの講師も務める。 帝京大学経済学部・湘北短期大学総合ビジネス学科 非常勤講師

小松英二

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増やしたければ分配金は受け取るな!

投資信託には、定期的(毎月、隔月、年4回など)に分配金を出すタイプ(以下、「分配型投信」という)と、分配金を出さずに同じ投資信託に再投資するタイプ(以下、「再投資型投信」という)があります。

前者は、早めにキャッシュを受け取りたい人に向いている一方、後者は、運用して少しでも多くリターン(儲け)を受け取りたい人に向いています。今回は、2つのタイプの特性を紹介しましょう。

まず分配型投信ですが、典型的な投資信託として毎月分配型投信があります。シニア層を中心に人気のある金融商品。主に、外国の国債・政府機関債、外国企業の社債などに分散投資をして金利収入を得て、分配金として投資家に還元します。預貯金がゼロに近い低金利局面においても、高い分配金利回りがセールスポイントとなっています。

でも、高く見える分配金利回りは、運用成績ではありません。運用で得られたリターンを分配していると思っている人も少なくありませんが、実は違います。それでは、どうして高利回りが維持できるのでしょうか。その辺のカラクリを見ていきます。

まず、「実際のリターン>約束された高い分配金」のケースでは、リターンをしっかりと投資家に分けることになりますのでスッキリしますし、これが望ましいパターンです。でも「実際のリターン<約束された高い分配金」のケースではどうでしょうか。この場合、投資家に支払う分配金がリターンだけでは不足しますので、投資家の投資資金(「元本」という)を取り崩して不足額に充てます。投資家から見ますと、自分の元本を分配金として受け取っているに過ぎませんので運用残高は減ってしまいます。実際にはこのケースが多くなっています。

一方、再投資型投信(分配せずに再投資するタイプ)ですが、何といっても運用残高の増えるスピードが魅力です。再投資により元本が増えますので、複利効果が期待できます。複利効果というのは、運用で得たリターンの再投資により「利息が利息を生む」効果のことです。

2つのタイプの選択は、投資目的が鍵を握ります。分配金をこれからの生活に使うなど、目先に目的があれば分配型投信です。シニア層は、こうした利用目的で取り組んでいる人が多いようです。一方10年、20年、さらにその先を展望して運用残高を増やしたい場合は、再投資型投信が良いでしょう。
このように特性と目的を関係づけて検討してみてください。

節約疲れのギリシャ!ユーロ離脱はあるか?

ギリシャは、2010年の債務危機(外国からの借金が返せない事態)の時に国際通貨基金(IMF)などから多額のお金を借りましたが、現在その返済に苦しんでいます。

次々とやってくる債務返済期限を何とかやりくりしてきましたが、ついに7月13日、IMFへの返済を遅らせてしまいました(先進国では初めての事例です)。

結局、EU28カ国の基金EFSM(欧州金融安定メカニズム)からのつなぎ融資を受けて、一先ずしのいでいますが、返済はこれからも続きます。公的年金や公務員給与の削減、増税、公共サービスの削減などが続き、節約疲れから『ユーロから抜け出そうよ!』とする世論も高まっています。

ではユーロ(現在、19カ国が通貨ユーロを使用)からの離脱はあるのでしょうか?
そのメリットとデメリットを見ていきましょう。離脱すると昔の通貨「ドラクマ」に戻りますが、ユーロに比べて交換(両替)条件が極め悪いというのが大方の見方です。

まずメリットですが、ドラクマ安は外国人のギリシャ観光が格安となり魅力が高まります。輸出品(少ないですが衣料、果実など)の競争力も増します。日本人にとっても、アテネのアクロポリスなどの観光や、エーゲ海のクルーズを体験ができる格安ツアーの人気が高まるでしょう。観光産業を起点にギリシャ復活の道も開ける可能性があります。

一方デメリットですが、ユーロ離脱で国民生活の疲弊は深まると思われます。例えば、ギリシャの家計は自動車や住宅のローンを全部ユーロ建てで組んでいますが、返済のためには多額のドラクマが必要です。ドラクマ安が進めば進むほど生活を圧迫します。メリットもありますが、デメリットの心配もあり、決断できないのがギリシャの内情です。

現在のところ、ギリシャはユーロ圏諸国と対立しながらもユーロにとどまっています。それがギリシャにとって国益と判断したわけですが、今後もIMFなどへの借金の返済と窮乏生活は続きます。ギリシャにお金を貸しているユーロ諸国から見ると、人口1100万人のうち、公務員が約100万人(人口の約1割、働いている人の数からすると25%)といったギリシャの状態などをこのまま放置できるものでもありません。

次の借金返済のヤマ場は8、9月です。再びユーロ離脱問題が浮上する可能性がありますので今後とも注意が必要です。

ズバリ景気がわかる“お纏め指標「景気動向指数」”

株価などが動く背景には、景気(経済活動の状況)の動向(上向きか、下向きか)があります。一般的に景気が上向きだと株価や金利が上昇しますし、景気が下向きだと株価や金利は下がります。そのため、景気の動向をある程度つかめれば、投資判断にも活かせます。

今回は、景気を見る代表的な経済指標である「景気動向指数」を紹介しましょう。

景気をつかむ経済指標には、生産、消費、雇用関係などさまざまな種類があります。馴れていないと、どの経済指標が重要か分かりません。また、複数の指標が常に同じ方向を向くとは限りません。上を向く数値あり、下を向く数値あり、上昇数、下降数のカウントも容易ではなく、全体の動向はとてもつかみづらいのが実情です。このように曖昧模糊(あいまい・もこ)とした景気を総合的に捉える“お纏め指標”が景気動向指数。内閣府が景気に敏感な経済指標を集約・合成して毎月発表しています。

具体的には28種類の経済指標が選ばれています。そしてポイントは3系列に分けていること。景気の動きを先取りして動く指標を先行系列(機械受注、新設住宅着工床面積など11指標)、景気と歩調を合わせて動く指標を一致系列(鉱工業生産指数、大口電力使用量など11指標)、景気が変化した後、しばらくしてから動く指標を遅行系列(家計消費支出、完全失業率など6指標)。それぞれの系列内における指標の動きを合成して一本の数字にまとめています。

3系列の中でも、投資判断に役立つのは先行系列です。3カ月から6カ月先の景気の動きを示唆するといわれていますので、景気の先行きを見るためには有力な材料です。

先行系列の1つ「新設住宅着工床面積」をピックアップしましょう。この床面積が増えるということは、住宅を建て始めた人が増えていることを示します。そうすると、まず建築資材(材木、コンクリート、ガラス、タイルなど)の調達が必要ですので、これらの売上高が増えることが予想されます。また、住宅が完成すると、家具や大型家電(冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)の売上も増えるでしょう。景気が良くなっていく道筋が想像できます。

アベノミクスが始まり上昇基調にあった先行系列は、2014年3月を境に横ばい、ないし若干の低下基調にあります。消費増税の影響が想定外に大きかったとの政府の説明です。投資判断の1つとして、今後の動向を注目していきましょう。

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