インフレに強い生命保険ってあるの?

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<材料>

・変額保険(終身タイプ) ・毎月の保険料

<Point>

1変額保険は、同じ保険金額の終身保険(定額)に比べて保険料が安い

2万一の時に受け取る保険金は、あらかじめ決められた基本保険金額よりも減ることはない

3運用結果次第では、基本保険金額よりも増えることがある

4運用結果次第では、解約返戻金は支払った保険料よりも増えることもあれば、減ることもある

※A社の変額終身保険に加入した場合と定額終身保険の保険料の比較。保険金額300万円、30歳男性、保険料払込期間30年で、30年間分の保険料の差

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一般的な生命保険は、加入する時の利率が将来もずっと続くため、今のような低金利時代に加入すると保険料は高くなり、家計への負担が大きくなりがちです。

また、せっかく「必要保障額」の考え方に沿って加入したはずの生命保険も、物価が上がり、さまざまなモノやサービスの値段が上がってしまっては、万一の時に受け取った保険金では、“足りない”という事態も起こりかねません。“保険はインフレに弱い”と言われるゆえんはソコにあります。インフレは物の値段が上がってお金の価値が下がることですが、インフレになっても、もらえるお金も増える保険があれば、うれしいですよね。

これに近いのが、万一の時に備える「変額保険」です。
あらかじめ用意されたファンド(株式や債券などの投資信託)の中から幾つかを選び、それらの割合を決めて運用していき、その結果次第で、もらえる死亡保険金が増えたり減ったりします。減ると言っても、あらかじめ決められた基本の保険金額はもらえます。たとえば、300万円の変額保険に加入して、運用が上手くいっている時に亡くなれば、保険金は300万円プラスαに増えることもあります。反対に、運用が上手くいかず、予定の保険金額よりも減ってしまったとしても、300万円の保険金を受け取ることが可能。“死亡保障”という点では安心できるでしょう。一般的にインフレの時は、景気が良く、金利や株価なども上昇していますので、変額保険も受け取れる金額が増えている可能性が高くなります。そのため、変額保険はインフレに強い保険と言えるでしょう。

変額保険を選ぶ際に気を付けるべき点は、60歳や65歳までなど期限のある有期タイプではなく、一生保障が続く終身タイプを選ぶこと。有期タイプは無事に満了の時期を迎えると、満期金を受け取れますが、運用結果次第では、払った保険料よりも減ってしまう可能性があるからです。
また、一般的な定額の終身保険では、保険料を払い続けてある程度の時間が経過すれば、払った保険料よりも解約して受け取る解約返戻金が増加。これを教育資金や老後資金に充てるという活用法もあります。しかし、変額保険の解約返戻金は、運用結果次第で大きく減ってしまうことを覚悟しておかなければなりません。増えている時はいいのですが、減ってしまっている時に解約するとソン。保険と言いながら、中身は投資信託のため、リスクがある点は十分理解しておきましょう。

変額保険は、定額保険に比べて保険料が安いため、純粋に“一生涯の死亡保障”が目的なら活用してもいいでしょう。しかし、投資信託の手数料以外にも、保険としてのコストもかかっているため、その分が差し引かれ、運用の効率は決してよくはありません。お金を殖やす目的なら直接投資信託を購入するなど、保険以外の選択肢の方が有利です。

目的に応じて商品を選びましょう。

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執筆者

田辺南香 ファイナンシャル・プランナー

ライフプランから見た家計管理・保険・住宅などマネーに関するアドバイスや、セミナー・Webサイト・雑誌等で情報発信を行う。 主な書著「“未来家計簿”で簡単チェック! 40代から間に合うマネープラン」(日本経済新聞出版社)、「隠すだけ!貯金術」「家計簿いらずの年間100万円!貯金術」「女ひとり人生 お金&暮らしの不安が消える本」(KADOKAWA)。株式会社プラチナ・コンシェルジュ取締役 http://pt-con.jp

田辺南香

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終身タイプと定期タイプの医療保険、どちらを選択する?

「◎◎の医療保険、入院1日あたり5千円、1回の手術5万円」と同じ商品で、同じ内容でも、保険料が随分違うというケースがあります。

これは、“終身タイプ”と“定期タイプ”の違いです。終身タイプは生きている限り保障が続き、加入時の保険料は最後まで変わりません。一方、定期タイプは10年毎に自動更新していき、保険料は更新時にアップしていきます。同じ年齢・性別で比べると、保険料が安いのは定期タイプ。では、どちらを選択するといいのでしょうか?

30歳の男性がA社の医療保険に加入するケースで、2つのタイプの保険料を80歳まで比べてみました(グラフ1)。終身タイプはずっと変わらず横一直線。定期タイプは、階段式に上がっていき、50代で終身タイプを超えます(保険料水準が今と変わらない前提)。さらに、80歳までの50年分の保険料を比べると、終身タイプの方が約43万円も少ない見込みです。同じ商品にずっと加入し続けるなら、最初は高くても終身タイプに加入する方が、結果的に支払う保険料は少ないと言えます。

では、定期タイプが完全に負けているかといえば、そうではありません。同じケースで、ある年齢までに保険料をいくら払うことになるかという累計額で比べると、67歳くらいまでは定期タイプの方が安いことがわかります(グラフ2)。

もしもあなたが、「貯蓄がない今のうちは保険に頼りたいけど、お金が貯まったら保険はいらない」と考えるなら、定期タイプに加入して、65歳くらいまでに解約する方が合理的。また、最近は医療技術が進んだことや国の方針などから、入院期間が短くなっています。このような状況にマッチした、新しいタイプの医療保険が今後発売される可能性もあります。そのタイミングで、新しい保険に入り直そうと考えるなら、今は安い定期タイプに加入しておく方が賢明と言えるでしょう。ただし、同じ保険会社であっても、新しい保険に加入する場合は、健康状態を問われますから、健康でなければ入れない点は注意が必要です。

今の時点で、一生涯持ち続ける保険を選ぶなら終身タイプ。40代までに見直すか、または将来は不要と考えるなら、定期タイプを選択するといいでしょう。がん保険でも同じことが言えます。

保険料のまとめ払いでランチ代を浮かそう

全く同じ保険に加入するのでも、保険料の支払い方で節約する方法があります。それが“まとめ払い”。毎月の支払いを、半年ごとや1年ごとなど、先にまとめて払う方法です。

どのくらい安くなるのかを、30歳の男性がある保険会社の商品に加入する例で見てみましょう(表参照)。死亡保障の収入保障保険の月払保険料は3,650円ですが、半年払は21,700円、年払は42,670円。年間の保険料が、半年払は400円、年払は1,130円安くなります。ランチ代くらい安くなる見込みです。更に医療保険やがん保険にも加入していれば、半年払で年間930円、年払で2,528円もお得に。年払の方が半年払よりも倍以上のメリットがでます。

“その程度か…”と思う人もいるかもしれませんが、保険は長期に渡って保険料を払っていくものですから、仮に65歳までの35年分で考えると年払のメリットは約8.8万円。銀行に預けても中々増えない時代、無視できない金額と言えるでしょう。保険料が高い保険ほどメリットも大きくなります。

まとめ払いで気になるのは、もしも途中で解約するなど、保険料を払う必要がなくなった時のこと。一般的に、まだ経過していない期間(月数分)の保険料相当が戻ってきますから、ムダになるわけではありません。医療保険やがん保険で、三大疾病やがんになったら以降の保険料を支払う必要がなくなる“保険料支払免除特約”を付けた場合も同様で、未経過分は戻ってきます。払い損にはなりません。

まとめ払いの注意点は、支払日の銀行口座にお金がない!という事態。そうならないためには、計画的な家計管理が大切です。保険料の支払いに備えて、毎月の収入から口座に少しずつ残したり、ボーナスから取っておくなど工夫しましょう。
既に加入している保険もまとめ払いへの変更が可能です。手続き方法などは保険会社に問い合わせてみましょう。

100円程度の保険料で2,000万円までもらえる保険って?

たった月100円程度の保険料で2,000万円なんて、そんなオイシイ話があるの?と思われる人も多いでしょう。

医療保険やがん保険に付けることができる「先進医療特約」がそれです。先進医療を受けた際に、かかった実費(技術料)を保障してくれるもので、多くの商品は2,000万円までカバーします。

先進医療とは、健康保険の対象にするかどうかを、安全性や有効性を評価している段階の医療技術で、国が指定したものだけを言います。健康保険が使えないと全てが自己負担。一般的な診察や検査、入院費など通常の治療と共通する部分も含めてです。しかし、先進医療に指定されると、技術料は全額自己負担ですが、共通部分は健康保険が使えて3割負担で済むようになります。先進医療は現在約100種類。どこでも受けられるわけではなく、大学病院などを中心に、全国約570の特定施設に限られます。

では、どのような先進医療がいくらくらいかかるのでしょうか(表参照)。技術によって1万円程度から1,000万円を超えるものまでさまざま。件数が多いのは、白内障の治療法である「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」で50万円程度です。また、がんの治療法で、身体へのダメージが小さいことなどで注目されている陽子線治療や重粒子線治療は、1回で250~300万円もかかります。

先進医療を受けた場合に、技術料を負担してくれるのが先進医療特約です。なぜ、これほど安いかというと、先進医療を受ける可能性が低いため。たとえば、1年間に陽子線と重粒子線治療の実施件数を見ると、新たにがんと診断される人のうち0.5%にも満たない数しかありません。理由は、全てのがんに有効とは限らない点や、施設が全国に14箇所とまだ少ないこと、治療費が高額であることなどが挙げられます。しかし、ここ数年先進医療を受けた患者数は増えています。いざ受けたいと思った時に、経済的な面で迷わないためには、このような保険で備えておくと安心です。

ベースとなる医療保険やがん保険が終身タイプでも、先進医療特約部分だけは、“10年更新”というタイプもあります。将来、特約料のアップが気になるなら、終身タイプを選ぶとよいでしょう。また、がん保険の先進医療特約がカバーするのは、がんの先進医療だけ。医療保険の特約は全ての先進医療が対象ですから、医療保険にだけ付けておけば充分です。

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