増やしたければ分配金は受け取るな!

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<材料>

・10万円で投資信託を購入

<How to>

1早めにキャッシュを受け取りたい人に向く「分配金を出すタイプ」

2「分配金を出すタイプ」では、実際のリターンが低い場合、自分の投資元本が戻ってくることもある

3運用して少しでも多くリターン(儲け)を受け取りたい人に向く「分配金再投資タイプ」

※毎月分配型投信A<リターン5%;分配金1200円/年>と再投資型投信B<リターン5%>に、10万円投資すると5年後の運用リターンの差

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投資信託には、定期的(毎月、隔月、年4回など)に分配金を出すタイプ(以下、「分配型投信」という)と、分配金を出さずに同じ投資信託に再投資するタイプ(以下、「再投資型投信」という)があります。

前者は、早めにキャッシュを受け取りたい人に向いている一方、後者は、運用して少しでも多くリターン(儲け)を受け取りたい人に向いています。今回は、2つのタイプの特性を紹介しましょう。

まず分配型投信ですが、典型的な投資信託として毎月分配型投信があります。シニア層を中心に人気のある金融商品。主に、外国の国債・政府機関債、外国企業の社債などに分散投資をして金利収入を得て、分配金として投資家に還元します。預貯金がゼロに近い低金利局面においても、高い分配金利回りがセールスポイントとなっています。

でも、高く見える分配金利回りは、運用成績ではありません。運用で得られたリターンを分配していると思っている人も少なくありませんが、実は違います。それでは、どうして高利回りが維持できるのでしょうか。その辺のカラクリを見ていきます。

まず、「実際のリターン>約束された高い分配金」のケースでは、リターンをしっかりと投資家に分けることになりますのでスッキリしますし、これが望ましいパターンです。でも「実際のリターン<約束された高い分配金」のケースではどうでしょうか。この場合、投資家に支払う分配金がリターンだけでは不足しますので、投資家の投資資金(「元本」という)を取り崩して不足額に充てます。投資家から見ますと、自分の元本を分配金として受け取っているに過ぎませんので運用残高は減ってしまいます。実際にはこのケースが多くなっています。

一方、再投資型投信(分配せずに再投資するタイプ)ですが、何といっても運用残高の増えるスピードが魅力です。再投資により元本が増えますので、複利効果が期待できます。複利効果というのは、運用で得たリターンの再投資により「利息が利息を生む」効果のことです。

2つのタイプの選択は、投資目的が鍵を握ります。分配金をこれからの生活に使うなど、目先に目的があれば分配型投信です。シニア層は、こうした利用目的で取り組んでいる人が多いようです。一方10年、20年、さらにその先を展望して運用残高を増やしたい場合は、再投資型投信が良いでしょう。
このように特性と目的を関係づけて検討してみてください。

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執筆者

小松英二 CFP®(ファイナンシャル・プランナー)/ 経済アナリスト

筑波大学卒業後、日本銀行入行。景気動向調査、対金融機関・対政府の金融取引などに携わる。 その後2007年4月にFP事務所を開業し、資産運用、相続対策を中心に相談業務、執筆活動を展開。 生活者向けセミナー、企業の社員研修、FP継続教育研修などの講師も務める。 帝京大学経済学部・湘北短期大学総合ビジネス学科 非常勤講師

小松英二

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ローコストで日経平均株価と同程度のリターンを狙う投資信託“ETF”

投資信託は、基本的に株と違って証券取引所に上場されていませんが、中には証券取引所に上場され活発に売買されている投資信託もあります。それが上場投資信託(Exchange Traded Fund)です。

頭文字をとりETFと呼ばれています。このところ人気が高まっていますのでその仕組みや特徴を見ていきましょう。

ETFは、株価指数などとの連動を目指す投資信託です。たくさんの個別株が入り、分散効果が効いた“株の詰め合わせセット”が上場されているイメージです。マーケットが開いている日中にいつでも売買できます。一般の上場していない投資信託は、当日の株式市場が閉まってから基準価額(株価に相当)が算出されますので、日中に買い注文を出してもいくらで買えたかは夕刻にならないと分かりません。

ETFとして認められるためには、公表されている株価指数や債券指数などとETFの価格が連動する仕組みが必要です。そのため、投資家にとっては値動きが分かりやすいといった特徴があります。また、株と同じく機動的に売買でき、一般の投資信託に比べて購入時の手数料や、運用期間中にかかる信託報酬が安い点は注目です。

現在、国内の証券取引所に上場されているETFは約170本。初心者にお勧めなのは、値動きが分かりやすい日本株式を対象とする株価指数連動タイプのETFです。主だったタイプを見ていきましょう。

まず、日経平均株価との連動を目指すタイプ。同指数は、1949年の東京証券取引所開設以来、継続しており、テレビ、新聞などでもお馴染み。東京証券取引所第1部に上場している約1800銘柄の中からトヨタやNTTなどの日本を代表する225銘柄を選定した株価指数です。

2つ目は東証株価指数(TOPIXと呼ばれる)との連動を目指すタイプ。同指数は1968年に始まり、東京証券取引所第1部に上場している全銘柄が対象です。業種別ETFなど選択肢が広がっています。

3つ目は2014年に始まったJPX日経インデックス400との連動を目指すタイプ。上場銘柄の中から、企業の収益性指標である「ROE」などを判断材料として400銘柄を選定します。ROEの向上は、アベノミクスにおける成長戦略の一つ。稼ぐ力のある企業に投資するJPX日経400型ETFは、注目度が高まっています。

手数料「信託報酬」の違いは運用リターンを変える

他の金融商品と同様に投資信託も手数料はかかります。その分運用リターンが減りますのでしっかりと掴んでおきましょう。

投資信託の手数料には、販売手数料、信託報酬、信託財産留保額の3つがあります。基本的に投資信託ごとに異なりますが、知っておきたい特徴があります。それは、

・同じ投資信託では、信託報酬、信託財産留保額はどの販売会社で買っても同じこと

・同じ投資信託でも、販売手数料は販売会社(証券会社や銀行など)によって異なること

それでは、3つの手数料がそれぞれどのようなものかを説明します。
販売手数料は、投資信託を購入するときに販売会社に一度だけ支払う手数料です。A証券会社とB証券会社では、同じ投資信託でも異なる販売手数料がかかり、一般的に1%~3%程度です。中には無料のものもあり、「ノーロード(手数料ゼロ)」と呼ばれています。

最近ではネット証券を中心に販売手数料を引き下げる動きがあり、同じ投資信託でも販売手数料の差は数%に上ることもあります。目指す投資信託が決まったら、販売手数料の安い販売会社を探して、そこで買うことは大事なことです。

続いて信託報酬ですが、これは運用に対する対価として毎年払い続けるコストといえます。運用に関する経費や運用会社に対する報酬などがその中味です。投資信託を長期保有する場合、信託報酬は保有期間中ずっと払い続けることになります。1%の違いでも、継続すると運用成績の大きな差となります。3つの手数料のうち、運用リターンに一番影響を与えますので、投資信託を選ぶときにはもっとも注意すべき手数料です。一般的な投資信託は年1%~2%程度。同じ運用リターンを出す投資信託なら、信託報酬が低い方がより有利であることを覚えておきましょう。

3つ目の信託財産留保額は、投資信託での運用をやめる(売却する)ときにかかる手数料です。この手数料は、かかる投資信託とかからない投資信託があり、かかったとしても0.5%程度。運用リターンへの影響は、3つの手数料では一番低いといえます。

投資信託を購入する際に、どのような手数料の負担があるかを販売用資料や目論見書で知ることができます。運用リターンをしっかり得るには、どの程度の手数料が発生するかを知って、比べることはとても重要です。しっかりと確認しましょう。

投資信託選びの最後の決め手“シャープレシオ”

商品分類を手掛かりにすれば、投資信託は選びやすくなります。でも、数千もある中から絞り込むことはそう簡単ではありません。

目指す1、2本を選ぶには、いくつかのポイントがあります。今回は、投資対象が似ている投資信託において、「運用の上手さ」が比較できる指標をご紹介しましょう。

投資信託を提供する運用会社は、品揃えを充実させ投資家のニーズに応えます。そのため、投資対象が似ていて、どの運用会社の投資信託がいいのか見当がつかないケースも少なくありません。しかし、「運用の上手さ」が分かるシャープレシオを比較することで、投資信託の優劣の判断ができます。投資信託の検索サイトでサイト運営会社が算出しています。そこで確認できますので、「数字が大きいほど運用が上手い」と覚えておいください。

シャープレシオは、一言でいえばリスクとリターンのバランスから運用の上手さ(効率)を見る指標です。例えば、AとBの投資信託の3年間のリターンが10%で同じとします。この情報だけではどちらを買えばいいかは判断できません。そこでリスクを見ますとAのリスクが5%、Bのリスクが10%だとします(%表示でリスクが登場しましたが、BはAよりもリスク、つまり値動きが大きいことを意味する)。この情報があれば、BよりもAのほうが、少ないリスクで多くのリターンを上げており、「運用が上手い」ことがはっきりとします。

さらに図を用いて見ていきましょう。『シャープレシオ=リターン÷リスク』といった基本計算式(実際の式はもう少し複雑)をデフォルメしています。リターンが同じならば、リスクが小さいほどシャープレシオは大きく、リスクが同じならば、リターンが大きいほどシャープレシオは大きくなります。これにより、シャープレシオが大きいほど運用が上手いことがお分かりいただけたと思います。

ただ、シャープレシオを用いる際には注意が必要です。
・あくまでも過去データを用いた数字で、将来を保証するものではない。
・株式中心の投資信託と債券中心の投資信託など、違うタイプの投資信託の比較には使えない。お肉と野菜を比べて美味しさを論じても意味がないのと同じ。
・運用の上手さで差が出る「アクティブ投信」の比較に適している。一般的に「インデックス投信(パッシブ運用)」では用いられない。
以上を念頭に置き、投資信託選びに活用するといいでしょう。

2015.7.01更新

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