ズバリ景気がわかる“お纏め指標「景気動向指数」”

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1株価や金利が動く背景には景気の動向がある

2内閣府は景気に敏感な指標を集約・合成して毎月発表している

33系列の中でも先行系列の動きを投資判断に活かしたい

※マーケット解説のため

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株価などが動く背景には、景気(経済活動の状況)の動向(上向きか、下向きか)があります。一般的に景気が上向きだと株価や金利が上昇しますし、景気が下向きだと株価や金利は下がります。そのため、景気の動向をある程度つかめれば、投資判断にも活かせます。

今回は、景気を見る代表的な経済指標である「景気動向指数」を紹介しましょう。

景気をつかむ経済指標には、生産、消費、雇用関係などさまざまな種類があります。馴れていないと、どの経済指標が重要か分かりません。また、複数の指標が常に同じ方向を向くとは限りません。上を向く数値あり、下を向く数値あり、上昇数、下降数のカウントも容易ではなく、全体の動向はとてもつかみづらいのが実情です。このように曖昧模糊(あいまい・もこ)とした景気を総合的に捉える“お纏め指標”が景気動向指数。内閣府が景気に敏感な経済指標を集約・合成して毎月発表しています。

具体的には28種類の経済指標が選ばれています。そしてポイントは3系列に分けていること。景気の動きを先取りして動く指標を先行系列(機械受注、新設住宅着工床面積など11指標)、景気と歩調を合わせて動く指標を一致系列(鉱工業生産指数、大口電力使用量など11指標)、景気が変化した後、しばらくしてから動く指標を遅行系列(家計消費支出、完全失業率など6指標)。それぞれの系列内における指標の動きを合成して一本の数字にまとめています。

3系列の中でも、投資判断に役立つのは先行系列です。3カ月から6カ月先の景気の動きを示唆するといわれていますので、景気の先行きを見るためには有力な材料です。

先行系列の1つ「新設住宅着工床面積」をピックアップしましょう。この床面積が増えるということは、住宅を建て始めた人が増えていることを示します。そうすると、まず建築資材(材木、コンクリート、ガラス、タイルなど)の調達が必要ですので、これらの売上高が増えることが予想されます。また、住宅が完成すると、家具や大型家電(冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)の売上も増えるでしょう。景気が良くなっていく道筋が想像できます。

アベノミクスが始まり上昇基調にあった先行系列は、2014年3月を境に横ばい、ないし若干の低下基調にあります。消費増税の影響が想定外に大きかったとの政府の説明です。投資判断の1つとして、今後の動向を注目していきましょう。

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執筆者

小松英二 CFP®(ファイナンシャル・プランナー)/ 経済アナリスト

筑波大学卒業後、日本銀行入行。景気動向調査、対金融機関・対政府の金融取引などに携わる。 その後2007年4月にFP事務所を開業し、資産運用、相続対策を中心に相談業務、執筆活動を展開。 生活者向けセミナー、企業の社員研修、FP継続教育研修などの講師も務める。 帝京大学経済学部・湘北短期大学総合ビジネス学科 非常勤講師

小松英二

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日銀は、物価の安定を目標として金融政策を行っています。高すぎる物価や低すぎる物価をちょうど良いレベル(日本の場合、年1~2%程度)に近づける役割を日銀が担っているのです。
物の値段が安い状況は、一見良いことのように思えますが、実は問題があります。物価が低すぎると企業の売上が減り、その企業で働いている人の給料も減りますから、消費者はモノを買わなくなります。そうすると、企業の売上がさらに減り、給料が減るといった悪循環が続き、豊かさにつながりません。

物価が低すぎるときや、モノの売買や生産が停滞する不況のときには、金利を下げます。金利が下がると企業や個人がお金を借りやすくなり、経済活動が刺激されるため、物価が上がることが期待されます。これを「金融緩和」といいます。
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ただ、デフレからの脱出は簡単ではないようです。日銀は頑固なデフレに対抗するため、2013年4月に金融緩和のペースを急激に上げました。これまでにありえないほどの緩和ということで、黒田日銀総裁は、これを「異次元金融緩和」と称し、衝撃的なニュースとして伝わりました。

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2015.6.15更新

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2015.5.13更新

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