手数料「信託報酬」の違いは運用リターンを変える

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<材料>

・使う予定のない10万円で投資信託を購入

<Point>

1投資信託の手数料は、販売手数料、信託報酬、信託財産留保額の3つ

2購入時に一度だけ支払う販売手数料!同じ投資信託でも販売会社により異なる

3同じ投資信託だと、信託報酬、信託財産留保額はどの販売会社で買っても同じ

4保有期間中ずっと払い続ける信託報酬は運用リターンに影響を与える

※信託報酬が1%違うA投資信託とB投資信託に、10万円投資すると5年後の運用リターンの差は

他の金融商品と同様に投資信託も手数料はかかります。その分運用リターンが減りますのでしっかりと掴んでおきましょう。

投資信託の手数料には、販売手数料、信託報酬、信託財産留保額の3つがあります。基本的に投資信託ごとに異なりますが、知っておきたい特徴があります。それは、

・同じ投資信託では、信託報酬、信託財産留保額はどの販売会社で買っても同じこと

・同じ投資信託でも、販売手数料は販売会社(証券会社や銀行など)によって異なること

それでは、3つの手数料がそれぞれどのようなものかを説明します。
販売手数料は、投資信託を購入するときに販売会社に一度だけ支払う手数料です。A証券会社とB証券会社では、同じ投資信託でも異なる販売手数料がかかり、一般的に1%~3%程度です。中には無料のものもあり、「ノーロード(手数料ゼロ)」と呼ばれています。

最近ではネット証券を中心に販売手数料を引き下げる動きがあり、同じ投資信託でも販売手数料の差は数%に上ることもあります。目指す投資信託が決まったら、販売手数料の安い販売会社を探して、そこで買うことは大事なことです。

続いて信託報酬ですが、これは運用に対する対価として毎年払い続けるコストといえます。運用に関する経費や運用会社に対する報酬などがその中味です。投資信託を長期保有する場合、信託報酬は保有期間中ずっと払い続けることになります。1%の違いでも、継続すると運用成績の大きな差となります。3つの手数料のうち、運用リターンに一番影響を与えますので、投資信託を選ぶときにはもっとも注意すべき手数料です。一般的な投資信託は年1%~2%程度。同じ運用リターンを出す投資信託なら、信託報酬が低い方がより有利であることを覚えておきましょう。

3つ目の信託財産留保額は、投資信託での運用をやめる(売却する)ときにかかる手数料です。この手数料は、かかる投資信託とかからない投資信託があり、かかったとしても0.5%程度。運用リターンへの影響は、3つの手数料では一番低いといえます。

投資信託を購入する際に、どのような手数料の負担があるかを販売用資料や目論見書で知ることができます。運用リターンをしっかり得るには、どの程度の手数料が発生するかを知って、比べることはとても重要です。しっかりと確認しましょう。

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執筆者

小松英二 CFP®(ファイナンシャル・プランナー)/ 経済アナリスト

筑波大学卒業後、日本銀行入行。景気動向調査、対金融機関・対政府の金融取引などに携わる。 その後2007年4月にFP事務所を開業し、資産運用、相続対策を中心に相談業務、執筆活動を展開。 生活者向けセミナー、企業の社員研修、FP継続教育研修などの講師も務める。 帝京大学経済学部・湘北短期大学総合ビジネス学科 非常勤講師

小松英二

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数千の中から投資信託を探す手掛かり

一口に投資信託といってもその数は数千もあります。その中でどうやって選んでいけばいいのでしょうか。今回は、投資信託を選ぶ手掛かりとして、投資信託の種類をご紹介しましょう。

まずは、どのエリアに投資するのか、という視点です。
大きく国内投資と海外投資に分けられますが、さらに海外にはさまざまなタイプがあります。先進国もあれば新興国もあります。特定の国に限定するものもあれば、ヨーロッパやアジアといったエリアに分散をするものもあります。さらにBRICs※などの数か国の組合せも。自分の興味のあるエリアを選びましょう。このとき1国に集中よりも、複数の国に分散するほうが、リスクは小さくなります。

次に、どの資産に投資するか、です。株式、債券、不動産、その他(原油や金といった商品など)がありますので、それぞれの特徴を指摘しましょう。

株式は景気が上昇するときに威力を発揮します。大きく儲かる可能性がありワクワク感がありますが、大きく値下がりするリスクもあります。

債券は株式よりも値動きが緩やか。株式ほど大きな利益は見込みにくい投資ですが、手堅さがあります。

不動産は景気がいいときに上昇する傾向にありますが、株価の動きに遅れるなど、独特な値動きを見せます。不動産を組み入れた投資信託はREIT(リート)と呼ばれ、投資家から集めた資金を使い、オフィスビルや商業施設、マンションなどの不動産を購入し、そこから得られる賃貸収入などを投資家に分配する仕組みです。

商品(コモディティ)は、世界的な規模で取引される原油、貴金属、農産物などの相場の値動きの影響を受けます。それぞれの商品は、需要と供給を巡る事情が違いますし、為替相場の影響も受けます。株式や債券、不動産とは違った値動きとなりますので、組み合わせますとリスク分散が図れます。

投資信託の商品分類が、投資信託協会のホームページに掲載されています。個別投資信託の説明資料(目論見書など)には、この商品分類により種類が示されています。その表示を見るだけで、ある程度、どのような投資信託なのか想像がつくはず。これで投資信託選びはかなりスムーズになるでしょう。

※BRICsは、経済成長著しい4カ国Brazil, Russia, India , China(ブラジル、ロシア、インド、中国)をさします。

2015.6.30更新

投資信託は自分のリスク許容度をしっかり掴んでから始めたい

ボーナスシーズン。しかし、貯めること・増やすことに取り組んでいかないと、せっかくのボーナスもいつの間にか無くなってしまいます。今回は、投資初心者が取り組みやすい “投資信託”をどのような視点で選ぶのかご紹介しましょう。

まず、リスクのある金融商品とつきあう際に最も重要なのは、一時的に値下がりした場合に、どこまでの損失に耐えられるかです。これを「リスク許容度」といいます。
リスク許容度はさまざまな要素に左右されますが、年齢などを勘案して、運用期間がどれだけ確保できるかといった視点が重要です。20、30代であれば運用期間が長く取れること、またこれから働いてお金を稼ぐことができる期間も長い(人的資産が大きい)ので、高いリスクに耐えられるでしょう。仮に運用が上手くいかなかった場合でも挽回のチャンスがたくさんあるわけです。

一方50、60代になると、損失が生じた場合に挽回することが難しくなります。損をまきかえそうと焦り、ハイリスク・ハイリターンの投資を続けると、さらに損失を膨らませることにもなりかねません。

運用期間の他にも、もっている資産の額、投資経験・運用知識などもリスク許容度に関係があります。若い世代であっても、投資初心者や金融・経済に馴染みがない人には、高いリスクを取ることはお勧めできません。また、将来の収入に不安がある人や、貯蓄が少ない人もリスク許容度は低いといえるでしょう。
では、数千本もある投資信託の中で、自分のリスク許容度に合ったものはどうやって探せばいいのでしょう。最も簡単な判断の仕方は、その投資信託の中に占める株式の割合を見ることです。株の割合が高いほど、利益が大きくなる可能性が高い代わりに、リスクも大きくなります。

では、債券ならリスクが低いのかというと、一概にそうとはいえません。海外に投資するものは為替リスクも引き受けることになりますのでその分リスクが高くなりますし、ハイイールドといって格付け(信用度)が低い債券に投資する投信信託はハイリスク・ハイリターンの商品です。先進国と新興国では、成長著しい新興国のほうが値動きは大きくなります。

自分のリスク許容度と投資信託のリスクの大きさを照らし合わせて、賢い商品選びをしてください。

2015.6.15更新

投資信託も種類や運用スタイルを知ると選びやすくなる

投資初心者が取り組みやすいのが投資信託です。ただ「その数は5,000超え!」と聞くとちょっと引いちゃいそう・・・。

でもご安心を。どんな種類があるかを知れば目指す投資信託にたどり着けます。スーパーで買い物をするにも「あれはレトルト食品だね」「食品コーナーの奥にあるはず」との判断で買い物もスムーズ。それでは投資信託における事情を見ていきましょう。

まず投資信託の種類は、株式を主な投資対象とする「株式投資信託」と、株式はまったく組み入れずに公社債を投資対象とする「公社債投資信託」とに大きく分かれます。

前者の株式投資信託は、儲かるかもしれませんが損する可能性もありますので、概してリスクが高いといった特徴があります。ここでのリスクは、日常で使う“危険”とは違った意味を持ちます。投資の世界では、“損得の振れ幅”が大きいことをリスクが大きい、“振れ幅”が小さいことをリスクが小さいといいます。つまりリスクは“不確実性”を表します。

ここで「株式投資信託には何%ぐらい株式が含まれるの?」といった疑問がわくかもしれません。実は株式比率の高低は投資信託によりさまざま。比率の高い株式投資信託はハイリスク・ハイリターン(儲けが多い反面、損失も多い可能性)、比率の低い株式投資信託はミドルリスク・ミドルリターンといった傾向があります。投資初心者は株式の比率を3割以下に抑えた株式投資信託から選ぶと良いでしょう。

後者の公社債投資信託は、株式がまったく含まれず、国債や社債などの公社債(債券)への投資が中心ですので比較的安全性が高いといえます。債券は国や企業などが多数の投資家から資金を借入れる際に発行する、いわば“借用証書”のようなものです。債券やそれに集中投資する公社債投資信託は、株式などのように派手さはありませんが堅実な金融商品(出したお金“元本”が保証されるわけではない)といえます。

もう1つ別の切り口で見ていきましょう。それは運用スタイル(考え方や手法)による分類です。パッシブ運用は、ニュースでお馴染みの日経平均株価のような指数の動きにできるだけ近い運用成果を目指す、いわば守りの運用スタイル。それに対してアクティブ運用は、日経平均株価などを上回る運用成果を目指す、攻めの運用スタイルです。両者に一長一短はありますが、投資初心者には安全性を重視するパッシブ運用から始めることをお勧めします。

2015.5.27更新

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