ドルコスト平均法で、失敗しない外貨預金

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・5年以上使わないお金 約10万円~

<Point>

1外貨預金のリスクを減らすためには、購入のタイミングを分散することが有効

2毎回決まった額を積み立てる「ドルコスト平均法」だと平均購入単価が低くできる

3自動的な積立システムにより、心理的な影響を排除できる

※本文中の表のレートで、毎回5万円分のドルを購入した場合、毎回500ドルずつ購入した場合との6回分の差額(1ドル=100円で日本円に換算。手数料・税金は考慮せず

外貨預金は、円預金よりも相対的に高い金利が得られることが魅力ですが、最近は世界的に金利が下がっているため、為替差益を重視する傾向が強くなっています。

為替差益を得るためには預入時より円安になることが必要ですが、予想に反して円高に進んでしまうと、為替差損で元本割れすることにもなりかねません。
つまり、外貨預金で成功するか否かは為替の動向にかかっているわけですが、運を天にまかせるだけではなく、自ら元本割れの確率を減らす有力な方法があります。

それは、投資の時期を分けること。
一度にまとめて投資せず、何回かに分けて購入する、できれば毎回決まった額を積み立てる(=ドルコスト平均法)ことで、タイミングのリスクを分散するのです。

ここで、ドルコスト平均法の効果を説明しましょう。

リンゴを毎回1,000円ずつ買うとします。
リンゴの値段が100円なら10個買えますが、150円に値上がりすると6個しか買えません。逆に50円に値下がりすれば、20個買えます。
このとき、購入に充てる金額を毎回一定にすることで、「価格が高いときには少しだけ、安いときにはたくさん」買う仕組みが自動的に働き、平均単価を安くすることができるのです。

外貨預金に置き換えて見てみましょう。
下表は、赤文字のような為替レートで、毎回5万円ずつと毎回500ドルずつ、ドルを購入した場合の比較です。ご覧のように毎回5万円購入した場合は平均すると1ドル=98.3円、毎回500ドルずつ購入した場合は1ドル=100円となります。毎回5万円ずつドルを買ったほうが、平均単価が低く(円高に)なっているので利益が出やすいわけですね。

投資は、安いときに買って高いときに売るのがセオリー。
しかし、実際には値下がりしているときはもっと下がるかもしれないと思って買うことができず、値上がりするともっと上がるかもしれないと買い増ししがちです。そこで、毎回、円で一定額ずつ積み立てていくことによって、こうした心理的な影響を排除し、合理的な投資を行なえるようにするのです。

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執筆者

和泉昭子 生活経済ジャーナリスト/ ファイナンシャル・プランナー

大学卒業後、出版社・放送局を経て、フリーのキャスターに転身。NHKを中心に、ニュース・情報番組を担当。95年CFP®(ファイナンシャル・プランナー上級資格)取得後、現職へ。 NHK「日曜討論」、TBS「朝ズバッ!」、日経新聞「家計のギモン」等、メディア出演や講演活動、個人相談などを通じて、マネー情報を発信。(株)プラチナ・コンシェルジュ代表取締役 http://pt-con.jp/

和泉昭子

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外貨預金で生活防衛!

外貨預金は、為替差益や相対的に高い金利を得るという観点と同時に、長期的な資産防衛としても役立ちます。

長期的な経済の成長は人口動態の影響が大きく、特に現役世代の割合が高いほど成長が大きいといわれます。そのため、少子高齢化が進み、人口も減少している日本は、長期的には経済が低下していくとみられているのです。
そして経済力が弱い国の通貨は、原則として人気が薄れ、安くなっていきます。通貨が安くなると、輸出には追い風になりますが、輸入には不利になるのはご存知ですね。

具体的に、円とドルの例で見てみましょう。
2012年後半には1ドル80円前後でしたが、最近では120円台まで円安が進んでいます。その影響で、輸出企業の収益は上がりましたが、生活面では輸入品を中心にさまざまな物資が値上がりし、生活は苦しくなっています。
しかし、もし3年前にドルを買っていれば1.5倍の価値になっているので、物価が高くなってもそれほど困ることはないでしょう。
日本は現在も多くを輸入に頼っていますが、将来的には、資源や食糧以外の加工品まで輸入する機会が増えるかもしれません。そんなとき、外貨をもっていれば、その価値が上がっているので、リスクヘッジになるというわけです。

世界の準備通貨(政府や中央銀行が国際間の経済取引の決算や為替相場に介入するために持っている外貨)は、その6割が米ドル、2割強がユーロとなっています。そこで、通貨当局同様、皆さんもいざというときのため、米ドルとユーロを資産の一部として持っておいてはいかがでしょう。特にグローバル社会に生きる若い世代には、必要なことだと思います。

世界の中心的な通貨である米ドルは、貿易の決済にも使われ、他の通貨との換金しやすさから比較的値動きが安定しているといわれます。また、為替レートに関連する情報が入手しやすいことから、初心者でもチャレンジしやすい通貨といえるでしょう。
米ドルは年内の利上げが見込まれていることから、さらなる円安が期待される一方、既にかなりの円安が進んでいるのも事実。一度にまとめて投資するのは避けたほうがよいでしょう。

ユーロは、ヨーロッパ25カ国の共通通貨。ユーロが誕生するまでは、フランスではフラン、ドイツではマルク、イタリアではリラと、各国の通貨が利用されていましたが、通貨統合により経済の集合体としての力を発揮するようになり、今ではアメリカに勝るとも劣ない経済規模を誇っています。ここ数年、ユーロ圏の経済は低迷していますが、悪い時期から少しずつ積み立てていくことで、将来的にはここのところのドル円のような大きな利益が得られるかもしれません。

外貨の普通預金と定期預金、どっちがいいの?

円預金同様、外貨預金にも「普通預金」と「定期預金」があります。ただ、外貨預金での活用法は、円預金よりはちょっと複雑。どのように使い分ければいいのでしょうか。

「普通預金」は、預け入れ・引き出しが自由な預金のこと。解約のペナルティなしでいつでも引き出せる分、金利は低く設定されています。期間のしばりがなく、為替が動いたときにいつでも引き出せる外貨普通預金は、機動的に為替差益を狙いたい人にオススメと言えるでしょう。
ただし、外貨預金の場合、預け入れと引き出しの際に為替手数料がかかりますので、手数料の安い金融機関を選ぶことが重要です。

一方、「定期預金」は、予め定められた期間預け入れることを約束することで、高い金利を得られる預金。金融機関によって対応は異なりますが、外貨定期預金の場合、途中解約ができないケースも多く、可能な場合も不利な条件になるので注意が必要です。

預け入れの期間は1カ月、3カ月、半年、1年などさまざま。通常、預け入れ期間が長いほど金利は高くなります。ただし、経済状況や金融機関が行うキャンペーンなどによって、期間の短い定期預金のほうが、金利が高くなることもあります。ボーナスシーズンなどに行われる高金利キャンペーンは、金融機関が外貨預金に誘うため特別に優遇する仕掛け。そのため、魅力的な金利が適用されるのは通常、短い期間だけになります。

では、キャンペーンなどを除けば、基本的に長期の定期を選んだほうが有利なのでしょうか。必ずしもそうとはいえません。

景気の良い時は長めの期間、景気の悪い時は短めの期間を選ぶのが、セオリーです。
景気の良い時は金利が高くなりやすいため、その高い金利の恩恵を長く享受するために、長期の定期預金を選びます。特に、景気が減速傾向になってきたら、できるだけ長い期間を選びましょう。
反対に、景気の悪い時は金利が低くなりやすいので、その低い金利のまま長期間固定してしまうのは得策ではありません。これから景気が回復し、世の中の金利が上昇していく際にそれに合わせて乗り換えていきやすいよう、短めの定期預金でつなぐのが有効です。

ただし、ここでいう景気は、日本ではなく、ドル預金であればアメリカ、ユーロ預金であればヨーロッパの景気です。そのため、外貨預金をするなら、海外のニュースにも目を配ることが必要になります。

2015.6.30更新

外貨預金で成功するために! 為替が動く要因を知ろう

外貨預金は、購入したときより円安に進むと為替差益が得られます。そこで、為替レートがどのような要因で動くかを見ていきましょう。

・金利
突然ですが、自分が今、日本人ではなく、フランス人だと想像してみてください。そして、アメリカドルの金利が2%、日本円の金利が1%だったとしたら、どちらの通貨に魅力を感じますか? 

「ドル」と答える人が多いのではないでしょうか。
金利が高い方が、同じお金を預けたときにもらえる利息が多くなるのですから当然です。世界中の人が同じように考え動くので、原則として金利の高い国の通貨に人気が集まり、通貨の価値が高くなります。
ただし、金利さえ高ければどんな国の通貨でも高くなるわけではありません。たとえば、国内の情勢が安定していない国からは、リスクを怖れてお金が逃げていくので、通貨が売られる(安くなる)ことになります。

・貿易収支
たとえば、アメリカからの輸入額が輸出額を上回った場合(=貿易赤字)、円を売ってドルに交換し、輸入代金を払うことになり、円安(ドル高)の要因になるわけです。反対に輸出額が輸入額を上回った場合(貿易黒字)は、円高(ドル安)に動きやすくなります。
日本では、ここ数年、アメリカに対する貿易赤字が膨らんでいて、円安の追い風となっていましたが、2015年3月には2年9か月ぶりに黒字に転換しています。

●為替介入
急激な為替の変動は、企業はもちろん、経済全体に大きな影響を与えます。
そこで、政府が大量の円を売買することで、為替の動きを安定させることがあります(為替介入)。たとえば東日本大震災直後には、行き過ぎた円高が復興の妨げにならないよう、日米欧が協力して介入を行いました。
介入のインパクトは非常に大きいため、投資家は政府の動きに非常にナーバスです。そのため、実際の売買を伴わなくても、「これ以上円高が進めば介入を行う可能性がある」といったコメントを発表する「口先介入」だけで相場が動くことがあります。

他にも、テロや紛争、天災、他国の経済不安など、さまざまな出来事が為替相場に影響を与えています。世界に危機が起こったときは、「安全通貨」といわれるスイスフランや円が買われる傾向があることも覚えておきましょう。

もっとも、実際にはさまざまな要因が複雑に影響しあって為替が動きます。そのため、為替の予測はプロでも難しいと言われています。
経済や外交に関する情報に常に触れながら、少しずつ勉強していくのも一法ですが、初心者や勉強が面倒な人は、毎月一定額ずつ「積立」で外貨預金をしていく方法がおススメです。

2015.6.15更新

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