外貨預金で気になるユーロ!実は欧州の結束を担っている

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1ユーロは欧州の結束を強めようとする機運から生まれた

2欧州は通貨統合により競争力回復の道を歩んでいる

3ギリシャ問題などを乗り越えた後の欧州の立ち直りに期待

※マーケット環境解説のため

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外貨預金をするときに米ドル、豪ドルとともに気になる“ユーロ”。米ドルに次いで2番目に広く使われている通貨です。

ドイツ、フランス、イタリアといった主要国を始め、財政問題が報道されるギリシャでも使っています。外貨預金をする際には、ある程度その通貨のことを知っておきたいところ。ユーロとはどのような通貨か。その誕生の背景などをご紹介しましょう。

1999年1月に登場した歴史の浅い通貨です。以前は、ドイツはマルク、フランスはフラン、イタリアはリラといった具合に国ごとに通貨がありました。それら通貨の時代は、日本人が欧州を旅行するときに、国境を超える都度、次の国の通貨への両替が必要でした。今でこそユーロだけ持てば面倒な両替がなく食事や買い物もスムーズですが当時は不便でした。

そのユーロを用いる国は、1999年の導入時は11か国でしたが現在は19か国、人口3億2600万人の経済圏となりました。
ユーロ誕生の背景には長い歴史があります。欧州は、たびたび繰り返される戦争の舞台となってきました。第二次世界大戦後、戦争への反省から、国民や政治のリーダーの間で欧州の結束を強めようとする機運が高まりました。1950年代に、それまで戦争を繰り返してきたフランスとドイツの両国首脳の呼びかけで欧州経済共同体(EEC)が立ち上がりました。それを起源に輪が広がり、ユーロの誕生に至ります。

また、近年の欧州経済の地盤沈下も影響しました。米国や日本、アジアの新興国の経済成長の陰で、欧州各国の工業製品の輸出競争力は弱まります。そこからの脱出を目指し“経済統合”や“通貨統合”による競争力回復の道を歩んだのです。

その結果、ユーロの通貨別取引シェアは、米ドル(約4割)に次ぐ世界第2位(約2割)まで躍進しました。ところが、リーマン・ショック後は状況が一変します。ギリシャなど南欧諸国の政府の借金問題が深刻となり、欧州全体に停滞感が漂い始め、ユーロも勢いを失います。

現在、欧州は低成長、低インフレ経済に苦しんでいます。欧州中央銀行(ECB)も日銀と同じく大規模な金融緩和を開始しました。このところ、ギリシャ問題など暗い話が目立ちますが、それでも乗り越えた後の欧州の立ち直りに期待する声も少なくありません。

外貨預金の通貨選びに当たり、飛び込んでくるニュースは気になりますが、それに一喜一憂することなく、通貨の背景にある大きな流れも押さえておくとよいでしょう。

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執筆者

小松英二 CFP®(ファイナンシャル・プランナー)/ 経済アナリスト

筑波大学卒業後、日本銀行入行。景気動向調査、対金融機関・対政府の金融取引などに携わる。 その後2007年4月にFP事務所を開業し、資産運用、相続対策を中心に相談業務、執筆活動を展開。 生活者向けセミナー、企業の社員研修、FP継続教育研修などの講師も務める。 帝京大学経済学部・湘北短期大学総合ビジネス学科 非常勤講師

小松英二

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世界の投資家の一番の関心事!米国の金利引き上げ

投資によりお金を増やすためには、金融マーケットの動きを大体でいいので掴んでおくと良いでしょう。それでも、新聞やテレビの経済ニュースは、株価、金利、為替などに関する聞きなれない専門用語が並び、なかなか頭に入りにくいものです。

そこで今回は、「経済ニュースにどのように読むか」「馴染んでいくか」といったテーマを取り上げましょう。

まずお勧めしたいのは「世界の投資家が一番関心を持っていることは?」といったストレートな問題意識です。これを気にしながら新聞やテレビを見ていくと、経済や金融の仕組みが少しづつでも分かっていきます。月日を重ねると、経済的な出来事によりどのような影響が出るのかといった見通しも立てられるようになるでしょう。

目下、最大の関心事はなんといっても米国の“米連邦準備制度理事会(FRB)”による金利の引き上げ開始時期。年8回(7月以降では7月、9月、10月、12月の4回)開催される重要な会議で利上げが決定されます。日本で投資をするにしても、経済規模が一番大きな米国の状況が分かっていないと良い成果が得られませんので、テレビや新聞でしっかりとフォローしましょう。

FRBを説明しましょう。米国の中央銀行で日本における日本銀行に相当します。お金(ドル紙幣)も発行していますが、何といっても物価安定が最大の使命です。少し専門的になりますが、物価が持続的に低下し続ける状態“デフレ”の時には金利の引き下げや金融市場に大量にお金を供給(「金融緩和」と呼びます)するなど、デフレからの脱却に全力を挙げます。逆に物価が持続的に上昇し続ける状態“インフレ”が問題視されるくらいに進むと、金利の引き上げや金融市場からお金を吸収(「金融引締め」と呼びます)するなど、インフレがそれ以上進むことを阻止します。

FRBの利上げが注目される理由は、2008年9月のリーマン・ショック以降、日本・米国・欧州の先進国がこぞって続けてきた大規模な金融緩和から、世界一の経済大国“米国”が一番手で抜け出すことです。米国でも深刻な経済危機により経済の体温ともいえる物価が低下する中、金融市場にお金をジャブジャブに供給しましたが、ようやく結果(景気の本格的な回復)が見えてきました。一方、日本では“異次元金融緩和”と呼ばれる金融緩和が続行中。次回は米国の利上げによる日米金利差の拡大で円安が進む可能性があることなどを説明しましょう。

2015.5.13更新

米国の利上げによる日米金利差拡大で円安が進む可能性

FRBの利上げが注目されていますが、気になるのは金融商品への影響です。

日銀による“異次元金融緩和”が続く中で、米国の利上げによる日米金利差の拡大は、真っ先に為替相場に影響を与えると思われます。円安が進むとの指摘が少なくありませんので、その辺の事情を見ていきましょう。

まず、「金利差とは何か?」改めて説明しましょう。金利は国単位・通貨単位で中央銀行(日本では日銀、米国ではFRB)が決めます(この金利を政策金利と呼びます)。そのため高金利通貨もあれば、低金利通貨もあり、まちまちです。私たちの日常生活には、政策金利は馴染みがありませんが、これを基準に銀行預金の金利や住宅ローン金利などが決まったり、影響を受けたりします。これから起きようとしているのは、米国の政策金利の利上げにより、米ドル建ての預金金利や債券金利が上昇することなのです。

本題の日米金利差拡大と為替相場への影響に入ります。ここでは投資家の行動が関係します。そもそもお金には“低い金利よりも、高い金利を好む”といった性質があります。そのため、米ドル建ての銀行預金の金利が上がりますと、投資家の中には円建ての銀行預金をやめて米ドル建ての銀行預金にお金を移す人も少なくありません(預金だけではなく債券投資も同様です)。そうなりますと日本円と米ドルの交換が必要となりますが、この役割を担っているのが為替市場です。

その為替市場では、世界中の通貨(円、米ドル、ユーロなど)の売買取引が行われていますが、米国の利上げをきっかけに日本円が売られて、米ドルが買われる取引の増加が予想されます。そのことが影響してドル高・円安につながりやすくなります。為替市場は少し複雑ですが、皆さんが近所の銀行にお札(日本円)を持ち込んで米ドル預金を始めると、その背後で日本円が売られて、米ドルが買われる通貨の売買取引が生じているのです。

投資家目線で見ますと、米国の利上げはドル高・円安につながる可能性がありますので、外貨投資(外貨預金、FX、外貨建てMMFの購入等)のチャンスです。ただ、経済や金融はいろんなことが絡み合いますので、断定的な判断は禁物です。米国の利上げがあっても、さまざまな要因が絡みますので専門家の米ドル・円相場の見方にも幅はあります。投資はあくまでも自己責任であることも念頭に置いておきましょう。

2015.5.27更新

~ギリシャ問題ってなに?(前編)~【第3回】高橋先生の教えて経済ニュース

~ギリシャ問題ってなに?(前編)~

ギリシャ問題とはユーロ導入時のギリシャによるウソがすべての始まりでした。
2001年のユーロ導入時に、ギリシャも加盟することになりました。

ユーロを導入する際に各国は一定以下に借金の水準を収めていなければならなかったのですが、そこでギリシャは数字をごまかしてユーロに加わりました。

2009年の政権交代時にその不正が発覚し、全世界から非難を浴びることになります。

その結果、ギリシャ国債が暴落し、ギリシャの国債を多くの国や銀行が保有していたため、銀行経営や、ひいては世界経済にも影響するのではないかということで経済が混乱しました。

ギリシャは公的な機関からの支援により、財政再建に取り組むことになりましたが、その後も改善が進んでいない状況です。

このままギリシャが借金を返せない状況が続くと世界経済に影響を与えるかもしれないことが、ギリシャ危機になります。

2015.7.03更新

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