贈与税も相続税もかからない!? 教育費をまとめてもらおう!

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このレシピを実行して

320万貯まる!
<材料>

・(将来の)相続財産

<Point>

1祖父母が「必要に応じて」孫の教育費を払っても贈与税はかからない

2直系尊属から1人あたり1500万円まで一括でもらっても贈与税がかからない

3もらった人が30歳になったときに贈与税がかかる

※祖父の財産7,000万円をその長男と長女2人が相続する場合において、祖父が4人の孫に700万円ずつ教育費の贈与をした場合と、しなかった場合を比較した相続税額の差額

学校や塾に通ったり、サッカーやピアノを習ったりすると、お金がかかります。ふつうは、親がお金を出します。なにかと支出の多い親は大変です。でも、ちょっと待って。相続税がかかりそうな祖父母はいませんか?

今年(2015年)から、相続税は増税です(詳しくは、
相続のコラムを参照)。そこで、工夫をします。祖父母に余裕があるなら、孫の教育費を出してもらってはどうでしょう。贈与税の心配をする向きもありますが、「必要に応じて」出してもらうのなら、贈与税はかかりません。祖父母の財産が減れば、相続税の対策にもなりそうです。

でも、これができるのは、祖父母が元気なうち。考えたくはないけれど、「必要に応じて」が、できなくなる日がくるかもしれません。それは、いつ?

わからないので、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税(教育資金の一括贈与の非課税制度)」の利用を検討します。一定条件のもと、祖父母などの直系尊属から、子や孫へ教育資金を贈与しても、子や孫ごとに1,500万円まで贈与税がかからない制度です。これで、「将来の分までまとめて」もらっておくことができます。

祖父の財産を、その長男と長女が相続するとしましょう(図を参照)。財産が7,000万円なら、基礎控除額4,200万円(3,000万円+600万円×2人=4,200万円)を超える2,800万円(7,000万円-4,200万円=2,800万円)に相続税がかかります。320万円です。

思い切って、4人の孫に700万円ずつ教育資金を贈与すると、財産は、2,800万円(700万円×4=2,800万円)減って、4,200万円(7,000万円-2,800万円=4,200万円)になります。ちょうど基礎控除額と同じになって、相続税はゼロです。何もしなければ320万円なのに、孫たちへの贈与でゼロ。320万円もトクをします。

この制度の対象となるのは、2019年3月31日までに行われる贈与です。使い道にはルールが設けられていて、教育費という名目なら何でも非課税になるわけではありません。また、贈与を受けた人が30歳に達したときにお金が残っていると、贈与税がかかります。この他、適用にあたっては、細かいルールがあります。事前に確認しましょう。
※税計算において、記載のない条件は考慮していません

2015.6.30更新

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執筆者

久谷真理子 ファイナンシャル・プランナー

大学卒業後、都市銀行において融資業務に従事。FPとして独立後は、ライフプランから見た住宅ローンや相続・不動産に関する相談業務および、実行支援業務を行っている。また、各種セミナー講師をつとめるほか、雑誌やWebサイト等で情報発信している。

久谷真理子

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相続税がかからない財産がある!? 保険でトクをしよう!

基本的に、相続などでもらった財産には、相続税がかかります。

タンスの中から出てきた現金、銀行にある預金、株式や債券といった有価証券、マイホームなどの不動産。人に貸しているお金も、宝石も、ぜんぶ相続税の対象です。

でも、例外もあります。そのひとつが、保険の対象になっている人(被保険者)の死を原因として払われる「死亡保険金」です。うまく活用すると、相続税でトクをすることができます。

死亡保険金のうち、その保険に入るためのお金(保険料)を、亡くなった人が負担していたものは、相続税の課税対象です。ただし、これを相続人が受け取ると、一定の金額まで相続税がかかりません。「500万円×法律で決められた相続人(法定相続人)の数」まで非課税というルールです。

非課税限度額=500万円×法定相続人の数

親がのこした財産が7,000万円、これを子ども2人が相続する場合、相続税の基礎控除額(詳しくは相続のコラムを参照)は4,200万円(3,000万円+600万円×2人=4,200万円)。これを超える2,800万円(7,000万円-4,200万円=2,800万円)に対する相続税は320万円です。

もったいないから、親が保険に入ることにします。法定相続人が2人なら、非課税限度額は1,000万円(500万円×2人=1,000万円)ですね。そこで、1,000万円の保険に加入することにします。通常、保険料は、被保険者の性別や年齢、健康状態によって異なりますが、ここでは1,000万円かかったとしましょう。その分、親の財産は少なくなって、6,000万円(7,000万円-1,000万円=6,000万円)です。

しばらくして親が亡くなると、約束どおりに、1,000万円の死亡保険金が払われます。でも、受け取った1,000万円は、相続税がかからない財産です。現金でもっていたら相続税がかかったのに。その結果、基礎控除額を超える1,800万円(6,000万円-4,200万円=1,800万円)が課税の対象になって、相続税の額は180万円となります。保険に入らなかったときと比べて140万円もおトクです。

これをするためには、終身保険を利用します。死亡のときに、保険金が支払われることが肝心だからです。保険料を負担する人と被保険者を同じにすること、受取人を相続人にすることもポイントです。そうでないと、相続税とは別の話になってしまいます。加えて、実行後の定期的な見直しもしたいところです。税の制度は変わりますから。

※税計算において、記載のない条件は考慮していません

2015.6.15更新

うちも相続税の対象?! 相続税に関心をもつことが節税の第一歩!

今年から、相続税が増税になったのをご存じですか。こんなことを言うと、「相続税なんて、お金持ちだけにかかる税金でしょ、関係ないわ」と、返ってきそうですね。でも、相続税に無関心でいると、大切なお金を減らしてしまうかもしれません。少し関心をもってみませんか。

相続税は、親がのこした財産の合計が、一定額を超えるときに、その超えた部分に対してかかる税金です。一定額を専門的に表現すると、「基礎控除額」となります。これが、昨年までは、「5,000万円+1,000万円×法律で決められた相続人(以下、法定相続人)の数」でした。でも、今年からは一気に40%も減って、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。

2014年まで:5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
2015年以後:3,000万円+600万円×法定相続人の数

親がのこしたマイホームや預貯金などの財産が7,000万円、これを子ども2人が相続するとします。親が亡くなったのが昨年中であれば、基礎控除額は7,000万円(5,000万円+1,000万円×2人=7,000万円)です。だから、子どもたちに相続税の負担はありません。
でも、親が亡くなったのが今年なら、基礎控除額は40%も減って、4,200万円(3,000万円+600万円×2人=4,200万円)です。これを超える部分の2,800万円(7,000万円-4,200万円=2,800万円)に対する相続税は320万円にもなります。昨年だったらゼロだったのに。ちょっとビックリしませんか。

あんまりなので、親の財産を減らして、相続税を軽くすることを考えます。例えば、親から子どもたちに110万円ずつ贈与をすると、親の財産は220万円(110万円×2人)減りますね。結果、相続税は287万円です。30万円以上も節税できる計算になります。関心をもって対策をとることで、手元から出ていくお金を減らせるのです。

ところで、基礎控除額の計算はともかく、相続税の把握やその対策の検討には、それなりの専門知識が必要になります。税理士などの専門家の力を借りるものいいでしょう。
また、相続対策は、親の協力があってこそうまくいくものです。親の財産について、あれこれと口出しをするのは気が重いものですが、子どもたちだけで騒いでみたところで、前に進みません。親子で関心をもてるよう、前向きに取り組んでみてください。
※税計算において、記載のない条件は考慮していません。

2015.5.13更新

110万円を超えると税金がかかる!贈与はかしこく受けよう!

人からモノをもらうとき、税金の心配をする人は、ほとんどいないでしょう。
でも、個人から財産をもらうと、贈与税がかかります。

贈与税における暦年課税(れきねんかぜい)ってなに?

1月1日から12月31日までの1年間に、贈与税の基礎控除額110万円を超える財産をもらったら、贈与税を払うルールです。
これを 暦年課税(れきねんかぜい)といいます。

暦年課税(れきねんかぜい)でどうなる?

たとえば、父親と叔母のそれぞれから、「100万円あげる」と言われたとします。
滅多にないことなので、ありがたく受け取ると、合計で200万円です (100万円×2=200万円)。

そうすると、基礎控除額の110万円を超える90万円に対して、税金がかかります(200万円-110万円=90万円)。
90万円に対する税率は10%なので、贈与税の額は9万円になります(90万円×10%=9万円)。
2人からもらうのは200万円、でも、税金を払ったあとに手元に残るのは191万円。ちょっと残念ですね。

今すぐ手元に残るお金が多いほうが良い?

すこし頭を働かせましょう。叔母の好意はいったん辞退して、来年になったらまた考えることにします。
今年、父親から100万円をもらうだけなら、贈与税はかかりません。
来年になって、やっぱり叔母から100万円をもらうことになったとしても、他に何もなければ贈与税はゼロです。
2年かかりますが、もらった200万円はそのまま手元に残ります。

贈与税がかかるケースとかからないケースって?

中には、親などの扶養義務者からもらう生活費や教育費のように、贈与税がかからない財産もあります。
「そんなの当たり前でしょ」と思うかもしれませんね。
それでは、マイホームを買うためのお金はどうでしょう。これは、贈与税の対象です。

マイホーム購入資金にかかる贈与税がおトクになる制度も!

今なら一定の条件をみたすことで、贈与税がおトクになる制度を利用することができます(詳しくは住宅のコラム)を参照。
こういったことは、だまっていたら誰も教えてくれません。知らないと損をします。

贈与を受けるときは、そもそも贈与税の対象になるのかどうか、なるなら贈与税を減らすことはできないのか調べましょう。
税務署に問い合わせたり、専門家の力を借りたりすることをおススメします。税の制度は複雑ですから慎重に。

※税計算において、記載のない条件は考慮していません。

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